2008前期 TAP と VI の公開
2008.10.17渡辺一弘2008年前期セメスターの教員相互授業評価(MCV:Mutual Class Visit)における、授業公開教員のアクションプラン(TAP: Teachers Action Plan)と授業参観した教員の後記(VI: Visit Impression)がまとまりましたので、公開しようと思います。 3回目となる今回は、環境共生工学科の授業を対象としました。 MCVに協力してくれたのは、新津隆士先生(分析化学)、久米川宣一先生(生物学II)、田口哲先生(コミュニケーション技術)、黒沢則夫先生(微生物学)の4名の教員の方々です。参観中は授業がやりにくかったとお察しいたしますが、協力してくださって本当に感謝いたします。 また、参観した教員は工学部FD委員会の、田口 哲教授(環境共生工学科)、伊藤佑子教授(生命情報工学)、中嶋一行教授(生命情報工学)、北野晃朗准教授(情報システム工学)、石井良夫准教授(情報システム工学)、それと渡辺一弘(情報システム工学科)の6名です。 どうぞご一読ください。11月13日には、教員・学生・職員代表が集まり、工学部授業アンケートシンポジウムを行います。木曜日の5時限目ですが、是非ご参加ください。このとき公開教員の学生から見た授業アンケートとMCVの結果を比較いたします。この結果はCD(Comparative Discussion)として次のブログで12月中ごろに公開いたします。最初に、4名のTAP、それから6名のVIと続きます。それぞれの内容は、すべて各教員が作成しお送り頂いた原文のままです。それでは・・・
2008年前期Teachers Action Plan(アクションプランTAP)
工学部環境共生工学分析化学 2年次前期 新津隆士
1. 対象となった授業科目について
今回の授業評価の対象になった科目は環境共生工学科の2年次必修科目の分析化学であります。履修者は73名で、2009年度から桑田教授に担当が代わることもあり、新津担当最後の分析化学であります。内容は昨年度環境共生の化学系教員の打合会で今年度後期の化学基礎論をゆとり教育対応に内容を変更することになり、昨年度の化学基礎論に連動した今年限定の内容となっており、これまでの授業に比べ濃度計算とpHの計算に当てる時間が増加しております。誤差・濃度計算・イオン強度・活量・酸塩基平衡・緩衝溶液・容量分析・重量分析・定性分析・溶解平衡・溶媒抽出など、学生実習に密接な内容を取り扱っております。
2. これまでの授業改善の取り組みについて
教科書だけで説明すると自分でも読めるというアンケート結果が出て、プリントを主体にして教科書を自分で読んできてもらうようにすると、教科書なら頻繁に使うべきだというアンケートが出るなど、現在では簡単な分かり易い部分は教科書で説明し、わかりにくい部分はプリントや板書で詳しく説明するようにしております。プリントは問題だけ配ると、自分で解いても答え合わせが出来ないと意味がないのでやる気がそがれるとの意見があり、その日の問題は解答だけ予め付けておき、その日に提出させるP問題のみ答えは示しておらず、添削して次回返却しております。昨年度までは更に宿題問題があり、数日後締め切りで提出させておりましたが、今年は打合会での要請もあり、演習・授業内試験を1つの教室にて全体を学籍番号で2分して時間帯を分割して行うなど変更したため、宿題問題は課しておりません。
3. 改善の余地があると思われる点・その他についての指摘について
緩衝液についてなど用語の解説がなされていたかという御指摘をして頂きました。この参観日は第9回で、その前の8回において、緩衝液、緩衝指数についての説明を板書にて行っております。
単位の表記を見やすくすることが必要ではないかという御指摘をして頂きました。確かに現在正式な濃度表現のmol/dm3やmol・dm-3などに統一し、教えるのは大事であります。ただ卒研や院生で研究に携わると古い文献を読まざるを得ないので、これまでの経験で、学生はMやNを見て、これは何ですかとかなり質問を受けました。そこで現在では濃度の授業の際にかなり、色々な濃度表現を網羅してプリントを作成し、配っております。ことある毎にいちいち単位を繰り返し、表現を変えてこれは〜と同じですと紹介しております。分子量と式量、モル質量は化学基礎論で時間を割いて説明しております。
授業開始時にその回で行う重要な部分を強調したが全体の2/3しか出席して居らず、遅れないように注意を促す必要があるのではという御指摘をして頂きました。これば確かにその通りですが、この授業は担当が最後なので他の授業で生かしたいと思います。
化学式の添え字などが小さく後ろからは見にくい、表題や何について取り組んでいるのかも板書した方が良いという御指摘をして頂きました。確かにこれは重要で回ってみると何回か書き間違いをする学生がおりました。10E(—5)や、色を変え同じ大きさで書くなどの改善が必要です。この授業は担当が最後なので他の授業で生かしたいと思います。表題についてはなるべく口頭で言っておりましたが、聞き漏らし対策としては書くようにした方が良いでしょう。これもこの授業は担当が最後なので他の授業で生かしたいと思います。
何故黄色いチョークで板書するのか?色分けした方が良いのではという御指摘をして頂きました。実はこれはハプニングであの教室B401は白いチョークがすぐになくなるのです。あの回の前に沢山1階から持っていったので安心しておりましたら、またなくなりまして、白の他に集中力を高める色である黄色を使いました。現在ではチョークボックスを私費で買い、色チョークも私費で買いそろえて持っていって色分けして使っております。
話のスピードはやや速いと感じるという御指摘をして頂きました。確かに化学を高校で履修してこなかった学生には速いのだろうと思います。実習で必要な部分なので提出問題を解かしている間、板書をうつしている人がいる間、学生を見て回ると学生が話しかけてきますので、分かっていなかったら、全体に手を挙げてもらい説明をし直したり、説明を変えたりしております。
出席を取らなかったが演習等の回収で出席として居るのだろうか?という御指摘をして頂きました。はいその通りであります。クラス全体の名前が分かるので代筆も防げます。氏名が未記名でも1名なら割り出せます。出席を取る時間があったら問題を解いてもらいます。
数学的知識や電卓の使用にあたって、学生がどの程度理解して、どの程度持ってきているかが気になったという御指摘をして頂きました。昨年度1年次で化学基礎論で電卓の購入を完了させ試験では持ち込み可にしているので全員持ってきています。理解に当たってはまだ4乗根をとるのには慣れておりませんが、徐々に慣れてきています。学生の中を回ると使い方を間違えている人を発見できます。数名対数計算が苦手な人が見られますのでチェックが必要です。
工学部環境共生工学科生物学II 1年次前期 久米川宣一
1.対象となった授業科目について
対象となった授業科目である生物学IIは、環境共生工学科の2年次前期必修科目です。難易度は生物学を学ばなかった学生を対象としており、高校から大学レベル程度としています。講義内容は、植物学を中心とした植物の各器官・光合成について、植物にとっての必須元素、光に対する応答、植物ホルモンに関して講義をしています。授業は金曜日の4限目に開講されており、本年度の履修者は69名であり、必修科目であることから毎回9割以上の学生が出席しています。
2.対象となった授業の内容と,それを行った感想
今回対象となった授業回は、光合成に関する連続講義の最終回であり、砂漠など乾燥地帯で多く見られる耐乾燥性にすぐれたCAM植物の光合成の機構について講義を行いました。CAM植物の実物を観察することで乾燥に強い植物の特徴について説明するとともに、パワーポイントを中心として講義を行い、CAM植物の特徴である昼夜で異なる光合成を行うことについて講義を行いました。
授業は参観された先生方がいるということから、学生の皆さんはいつもよりやや緊張していたとともに真剣に授業を聞いていました。また、授業中時々質問を投げかけるのですが、その反応も良かったです。その反面自分はかなり緊張してしまいました。
3.FD推進委員より評価して頂いた点とご意見及びその対応について
1)評価して頂いた点
プロジェクターの使い方や板書、話し方については、ありがたいことにとても良いとの評価を頂きました。また、小テストとしても活用しており、かつてFDフォーラムで紹介された「なんでも帳(小テストの解答用紙とともに、質問や要望など自由に書き込みが出来る用紙)」の取り組みも評価して頂きました。また、プロジェクターの資料等をポータルサイトにアップしているのですが、その取り組みについても評価して頂きました。
2)改善すべき点とその対応
スライドのフォントサイズが小さいとの指摘を受けましたので、今後調整していきたいと思います。また、板書も体系化すると良いとのご指摘も受けましたので、講義ノートの見直しなどを行っていきたいと思います。また、教室の関係でうしろだと声が聞き取りにくいとの指摘も受けましたので、その後のすべての講義ではマイクの使用をしております。授業内の運営に関してはまだまだ工夫の余地があるかと思いますので、今後も授業改善に取り組んで参りたいと思います。
次に、配布資料に関して枚数も多いことから学生が資料を紛失したり散逸することが否めないとの指摘とともに、製本するなりの工夫をした方が良いとのアドバイスを受けました。実は本セメスター前に製本に関して事務に相談をしたのですが、枚数や履修人数が多いと学生から最低でも100円ずつ徴収する必要があると返事を頂いたため断念したという経緯があります。お金が発生しないような製本を出来るかどうか検討を行い、今後は製本して授業の最初に配布出来るように工夫して参りたいと思います。
工学部環境共生工学科 コミュニケーション技術 2年次前期 田口哲
1.対象となった授業科目について
今回の教員相互授業評価の対象となった授業科目は「コミュニケーション技術」である。この科目は、環境共生工学科の2年生を対象とする専門必修科目である。もともと1年生を対象とすべき科目であったが、学科の全体の科目の配置を考慮した時に、1年次前期に配置出来ず2年次前期となっている。2009年度からは1年次前期となる予定である。担当教員がはじめて、この環境共生工学科を増設する時にたちあげた授業である。はじめの数年は、担当教員も始めての授業であり、学生とともに苦労しながら、この授業を作り上げていった。今年度で5回目であり、かなり授業内容も落着き、担当教員も学生にとって、どこが理解しづらいのかもわかってきたし、ディベートを4回取り入れることにより、学生にも実践的に授業の意義の理解が深まりつつある。また期末試験は、この授業の集大成であるエッセイを最近の環境問題に関係ある論評について書くことが要求されている。必修科目であるので、学科全員が出席しているのに加え、他学部学科からも履習している学生がいる。また毎年数名の学生が再履習している。授業は、担当教員が日本語や英語の参考書をもととして作成したもので、教科書はない。毎回、配布資料を使い、授業はシラバスにあるように順を追って行っている。配布資料は、前もって配布してあるので、学生は前もって予習が出来るようになっている。
授業の進め方は、基本的にはパワーポイントを使いながら、手許にある配布資料を読みながら行っている。パワーポイントが見えなくても手許に配布資料があるので、問題はないはずとなっている。
毎時間ごとに、「何故4年制の大学に来たのか」「将来、自分はどんな人間になるのか」を考えさせるための英語の宿題を出している。4回目からは授業の内容をより理解してもらうために、練習問題を宿題として出ている。この2つの宿題はABC評価で採点して、翌週学生に返却している。
また、授業の終わりの15分間で、その日の授業のキーワードについてエッセイを書く訓練をしている。これも、コメントを添え、翌週学生に返却している。
2. 対象となった授業内容とそれを行った感想
今回FD推進委員の参観対象となった授業(5月14日)の内容は「Perceiving logic-2」で、具体的には次のような内容からなっている。
(1)議論の構造把握にとっての指示関係の整理
(2)議論の骨格の図示化
(3)論証の分析と評価における導出関係の整理
(4)論証構造の把握
以上の内容を例題をいくつか、学生とともにやりながら授業を行った。今回の内容は、この授業の中でも比較的、理解しやすい部分であるので、あまり問題はなかった。
この後に、前回のディベートに対する数名の学生の感想文をパワーポイントで示して、授業にどのように取り組むのか学生に示した。
最後に、英語の宿題について説明を行い、宿題をやりやすいように心がけた。
3. FD推進委員よりいただいたご意見
FD推進委員よりは、多数の項目に関して、積極的な良い評価をいただいたが、いくつの工夫すべき点として次のご指摘があった。
(1)シラバスの「授業概要」が判りにくい。
(2)「ディベートのやり方」の日本語の説明文に改善の余地がある。
この2つの問題点ともご指摘の通りである。はじめてこの授業を立ち上げてから、この2点については見直しがほとんどなされていない。授業中の配布資料のように毎年、見直しをしていくべきである。
最後に、何故私がこの授業を理系の環境共生工学科で立ち上げたのかの理由に少し触れておきたい。それは、当大学に着任して以来、学生がいかに自分の云いたいことを自分の言葉でいえないのかに気が付いたからである。理系であるからこそ、自分の考えていることを相手に正確に伝えることが大切なのである。またそれをもとにして、自分の人生設計をどのように考えていく力をつけることが大切だと、真剣に考えさせられたからである。できることならば、本大学の全ての学部で、このような授業を必修科目として、行っていくべきであると考えている。World Language Centerで同様の授業を全て英語でやっているので、この日本語の授業を履習した後に英語で再度履習すると、かなりの実力が付くのではないかと思う。
工学部環境共生工学科 微生物学 2年次前期 黒沢則夫
CVCにおいて、多くのポジティブなご意見をいただいたので、基本的には従来どおりの授業を継続しながら、さらに良い授業にすべく少しずつ改善を行ってゆきたい。以下、TAPとしては、“Action Plan”部分が少ないかもしれないが、“対象となった授業科目について”は、自身の授業方法・方針を初心に帰って見直すつもりで記した。
1.対象となった授業科目について
シラバス
微生物と一口に言っても、その範囲はウイルスから原核微生物、さらに真核微生物に至るまで幅広い。本科目では、まずそれら微生物全体の大きな分類体系について解説し、続いて、多くの微生物に共通する代謝経路を解説する。その後、原核微生物(細菌・古細菌)を中心とした各論に進み、細胞構造、増殖、細胞周期、実験室での取扱い等について解説する。また、真核微生物に関しては、藻類の分類や性質等について触れる。
到達目標
微生物の分類体系と基本的代謝経路について理解し、主に原核微生物(細菌・古細菌)に関して、それらの構造と性質や実験室での取扱い等に関する基本的知識を得る。
教科書・履修者数など
教科書には、「微生物学キーノート」(J. Nicklin 他著・高木正道 訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、ISBN4-431-70912-6、定価:本体3,600円+税)を用いている。2008年度の履修者数は83名、教室はE203、開講コマは火曜日3時限目である。
授業方法・授業方針など
教科書の図表、自身で作成した図表、および他の資料から得た微生物の写真などを、Power Pointを用いて学生に提示しながら授業を進めている。必要に応じて板書を併用している。毎回、授業開始時にその日の講義項目と内容、および教科書の該当ページを示している。前回解説した内容を簡単に復習してからその日の項目の解説を開始することが多い。講義の終わりには、次回の講義範囲を必ず伝えている。授業内テストを3回実施することにより、学生に復習の機会を与えるとともに、それまでの学生の理解度や、講義が不十分な点について検討している。毎回ではないが、10~15分程度、教科書から離れた話題についての話(たとえば、その時点で流行っているウイルス、バイオエタノール生産に使われる微生物、納豆菌の由来、微生物を用いた汚染の除去方法、深海微生物、生命の起源、などの話)を聞かせて、微生物に対する興味付けや学生の気分転換を図っている。微生物(学)やその応用などについて、一研究者としての個人的な思いを話すこともある。講義中は、質問の有無を出来る限り頻繁に学生に問いかけている。学生に飽きさせない授業を目指しているが、授業と関係のない雑談はしない。また、常に開始チャイムと同時に授業を開始している。授業中、学生が別な作業をしていてもあえて注意はしないが、周りの人に迷惑をかける行為(特に授業と関係のないおしゃべり)に関しては必ず注意している。
2.FD推進委員よりいただいたご意見と今後の対応について
最初に記したように、自分なりに工夫していると思っている点に関し、多くのポジティブなご意見をいただき、的外れな事はおそらくやってはいないとの安心感が少し得られた。一方、細かな点(スライド資料の更なる工夫、マイクの使い方、質問への答え方など)で、自分でも気付かなかった事をいくつかご指摘いただき、大変参考になった。基本的には従来どおりの授業を継続しながら、CVCを参考にさらに良い授業にすべく改善を行ってゆきたい。
2008年前期Visit Impression(授業参観後記)
北野晃朗
今期は環境共生工学科で見学をさせて頂いた.昨年度の前期から始まった教員相互による授業見学も3学科目となり一巡したことになる.今回からFD委員の人数も今までの4人から6名に増えて工学部FD委員会として組織が増強された,一方それで決して気が緩んだわけではないが、私個人としては日程が調整できず2科目のみの見学となった.FD活動は大学として、あるいは大学教員として取り組むべき事ではあるが,どのように効率的に取り組んでいくかは今後の課題である.3学科の授業見学を通して、教員自身が受けた教育環境に自分の授業はかなりの部分で影響を受けており,授業のやり方のみを考えても他の教育環境で育った教員の授業を見学する事は大変新鮮であった.見学を受け入れて下さった先生方に心より御礼を申し上げたい.
伊藤佑子
特別講義に来て頂いた外部の方の講義には、何度も同席させて頂き、多くのことを学ばせて頂きましたが、同僚である工学部の先生方の講義を「見学」させて頂いたのは初めてであり、新鮮な体験でした。快く、授業見学会をお引き受けくださった先生方に、感謝致します。時間割の都合で、残念ながら久米川先生の授業は見せて頂けませんでしたが、新津先生、黒沢先生、田口先生は、どなたも普段からよく存じ上げている方々で、予想に違わず、それぞれに個性豊かな授業を見せて下さいました。時間があったら、毎回の講義に出席したい位です。
40年以上昔、私がまだ学生だった時から助手になりたての頃のことを思い出しました。担当科目の講義内容に関係した若手の研究者や、間もなく博士論文を提出しようという大学院生に、学部の講義の該当部分をしてもらい、次々に質問をする先生がおられました。学生は、その先生の質問に助けられて内容の理解が深まると同時に、質問の仕方を身に付けて行きました。一方、講師を務めた人は、自分の講義のウィークポイントに気付きました。こうして、教授法を身につける機会が整えられていたのです。助手の時代には、教授や助教授の講義のスライド係をしながら、講義の組立て方や種々の技術を、学生とは違った目で見せてもらっていました。けれども、年と共にそういう機会が少なくなり、自分の授業を客観的に見直す方法も様変わりしてきました。田口先生の授業に村田助教が同席していらっしゃるのを見て、昔のことを思い出し、後継者育成の方策に、思いを巡らせている所です。
1セメスター15回の授業の確保、履修学生諸氏の要求の多様化、単位認定基準の明確化、学生の授業外学習時間を増やす方策、履修学生数による不開講科目への移行措置など、教員に課せられた課題も山積しています。魅力ある工学部を築いて行くためには、教員同士が知恵を絞って魅力ある授業を展開して行くことが第一でしょう。それには、教員同士がお互いを良く知り合うこと。工学部の講義科目は、原則全て公開となっています。限られた教員だけが役目上参加して授業見学会の恩恵に預かるのではなく、多くの先生が、他の先生の授業に参加して刺激を受けたり、助け合えるゆとりが欲しいものだと、つくづく思った次第です。
石井良夫
本年度からFD委員になり、初めての授業見学会参加、そして見学後のCVC作成には大変苦労しました。他学科の講義を聴講しても内容をたぶん理解できないと思っていましたが、1~2年の基礎科目であり専門外の私にも理解できることが多々あったような気がします。しかし講義内容の理解以上に、授業の進め方、その方法、しゃべり方、板書の方法にいたるまで、自分の講義と比較して大変参考になったと思います。どう学生に理解をさせ、より深く理解させるか、どの教員の方々も工夫されており、これらの点は科目の専門性に関係なく、大学のすべての講義に共通するものであり、教員一人一人が学ぶべき点であると思います。それ故、このような授業見学会参加はFD委員だけでなく、多くの教員が参加し良い点をどんどん吸収すべきものであると思いました。
見学授業に対するコメントであるCVCの作成には大変苦労しました。しかし、先輩FD委員にそのポイントを教えていただき、ネガティブな評価や辛口のコメントは控え、教員への批評でなく、より良い授業を行ってもらう為の感じた点、気づいた点に関するアドバイスを見つけるという観点で作成することができました。これは、まさしくFDセミナーで学んだ基本中の基本であります。CVCは評価できるところをより多く見つけ、それを多くの教員が共有できるようにするためのメッセージであり、それらがTAPに表れている感じがします。CVCでは修正点も上げますが、それは批判でなく少し工夫すれば更に良い講義になるというメッセージであると思います。
あらためて授業見学会の目的を思うと、シビアな授業評価でなく学生にとって魅力ある講義を行うための他教員からのアドバイスであると思います。そして、他の講義を見学することは、自分の講義をより良くするための参考にもなり、私自身も授業見学会に参加して、自分の講義に関して大変参考になりました。
最後に、快くご協力してくださった見学授業をご担当された先生方に感謝いたします。
中嶋一行
今回、環境共生工学科の授業見学をして、他学科同様、各先生方はそれぞれの科目に合わせて、様々な工夫をされていることがわかりました。同時にその工夫は自分の授業にも応用できそうなこともわかりました。そのような点から、今回の授業見学も有意義であったといえます。
しかし、今回なんといっても印象的であったのは、「コミュニケーション技術」という授業でした。私は、これまでの数年間、学生を見てきて、「物事を順序だてて(考え)、わかるように話す、あるいは記述する、ということが、もう少しどうにかならないものか」と、気になっていましたが、まさしくその能力をみがくための授業を見学することができて、とてもよかったと思っています。
論理的に考え、ディベートができ、他の人とやり取り(コミュニケーション)する能力を鍛えることは、社会に適応できる学生を育成するうえに重要です。そのためには、科で力をいれて取り組む必要があると感じていました。確かに、このようなトレーニングは、演習のような少人数での授業でも可能でしょうが、まず全体として教育する段階も必要ですから、この授業のように2年次で必修とするのは適当だと思いました。内容も方法も工夫された授業であり、おそらく教育的にはかなり効果があるものと推測しました。このような授業は、ぜひ多くの教員に見学していただき、カリキュラムの編成や同類の授業の改善に役立てていただきたいと思いました。そのような方向が、理系型の質の高い学生の育成・輩出につながっていくような気がします。
田口 哲
今学期は環境共生工学科の授業の見学会となりました。2名の授業を一身上の都合により参加できなかったことが心残りです。そのため1名の授業だけとなってしまいましたので、VIはあまり上手くかけません。 やはり3コマの授業の難しさを予想していた通りに感じました。学科として午前中には、どのような授業を、午後には、どのような授業をそれぞれ配分して効率よく教育をしていくべきか等も今後検討する題材であると思いました。
渡辺一弘
工学部FD推進委員として、教員相互授業評価(MCV)の受け入れ教員となってくださった、田口先生(コミュニケーション技術)、新津先生(分析化学)、黒沢先生(微生物学)、久米川先生(生物学II)に心より感謝申し上げます。所用と重なり、黒沢先生、久米川先生の授業参観はかないませんでしたが、参観できた授業は、親切で内容も充実していると感じました。また、自らの授業にとっても啓発的言えるものでした。 受け入れ教員、FD委員の皆様、ありがとうございました。