有機化学II
(2023年12月26日更新) 有機化学Iのページへ
教室:E201
"Chemistry has 3Is; Interesting,
Intellectual,
and Important."
(Yoshito Takecuhi)
今週の一言:(ストックへ)
- 「法則がなぜ成り立つのか?」という質問には誰もが回答に窮する。
質量やエネルギーの保存則が概ね成り立つことを疑う人はいないだろうが、これに対して「なぜ成り立つのか?」と問いかけても答えられないはずである。法則は、自然現象をうまく説明できる経験的なルールを明文化したものである。「そう考えると自然現象がうまく理解できる」としか答えようがなく、もちろん証明はできない。法則が「なぜ成り立つのか理解できない」のは、それを必要とする自然現象になじみがなく、そのために法則の存在意義が理解できないためである。「なぜ?」と悩むより、「?」を片隅に置きながらとりあえずその法則を受け入れ、それがあるおかげで自然現象がいかによく理解できるようになるかを学べばいい。
「質量欠損」という質量保存則の小さなほころびとそれに関わる現象について悩んだ物理学者は数多くいたが、その中で一人の天才がE
= mc2という新しい法則にたどりついた。法則とは幸運または天才により現れ、それまで多数を悩ませていた矛盾を解きほぐし、受け入れられてきたものである。
- 「わからなくてもおどろくな。誰でも他人が書いたまじめな話など、読みにくくてわかりにくいものなのだ。」(野崎昭弘「数学的センス」日本評論社)そんな時どうすればいいか?
授業資料(ダウンロードして入手し、ノートPC(タブレット)で表示させるか印刷してください。事情にかかわらず授業中のスマートホンの使用はご遠慮願います。)
予習のページ :予習により理解を確認し、難しい箇所を明確にしよう(提出は講義前日です)。
有機化学Q&A:予習の友
演習の説明・演習課題
コラボテストについて:
日程
:ログインはポータルサイトから
演習問題 理解を深め、本当の化学力をつけるために(最近の試験問題も公開)
補助教材・役に立つホームページ:先輩が作った独習用教材をはじめ、学習に役立つ教材、資料が満載!
有機反応を考えるための指針:「有機化学II」の重要な課題である反応生成物を考えるときに必携の指針(pdf版)
参考資料:講義の参考にした資料、ためになる書籍
チュートリアル:担当:深谷 椋 氏(M1) 時間:毎週
水曜日17時30分〜19時
場所:F402教室
ここでコラボテストの課題に取り組むこともできます。
お知らせ
- 2023年度定期試験についてNew
実施日:試験時間割の通り:1月23日(火)9時〜10時30分(90分)
場所:試験時間割の通り:E201教室
(1)試験範囲は,コラボテストの対象である「生物の作る有機化合物」の範囲を除く,授業で扱った内容(「7. 立体化学(2)」まで)に基づいて解ける範囲です(関連する「化学A・B」「有機化学I」の内容が問題に含まれることがあるかも知れません)。ただし,授業資料の「参考」の内容は含みません。
「20.電子環状反応」では、「20.2(1) Diels-Alder Reaction [4+2]」「20.4(2) [3.3] Rearrangement」が範囲。
(2)定期試験は85点満点です。(成績評価の残り15%はコラボテストの評価)。詳細はポータルサイトのシラバスをご覧下さい。
(3)電卓(関数電卓を含む)の持込使用を認めます・忘れないように(貸出はしません)。携帯電話等での代用はできません。
(4)その他の資料等(分子模型セットも)は持ち込めません。
(5)命名法のプリントは配布されます。使い方を練習しておいて下さい。
(6)試験時間中は他人と相談してはいけません。不正行為をしないように。
(7)出題形式の例は「演習問題」のページの各項目の問題を参考にして下さい。
- 過去の試験問題の例(pdf)は、このサイトの「演習問題」の項に掲載されています。
- 過去の試験問題の解答例は、F305室入口右の机の上のフラットファイルに綴じられています。ファイルやその内容の一部を持ち出さないようにして下さい。New
- 特別チュートリアルのお知らせ:下記の日程でTAらによる特別チュートリアルを行います。ご活用下さい。New
日時:1月22日(月)17時〜20時30分
場所:F402教室。
担当:ティーチングアシスタント他
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これまでに多数の皆さんの先輩達が、理解を深めるのに有効な質問をたくさんぶつけてくれています。それらに対する回答が、上の各ページに掲載してあります。
質問したいことがあるときはまずここや回答のページを見て、先輩や同僚が同じ質問をしていないか確かめて下さい。
質問は、レポートの他に下記宛電子メールでも受け付けます。
itomasasoka.ac.jp
○質問への回答は、演習課題のページ、チュートリアルの時間中または上記のリンクで対応しています。
○質問として「〜がわからない」と書いている場合があるが、これは質問ではないので答えようがない。しかし、「〜がわからないがどうすればいいか。」であれば質問である。「〜」が何であるかにかかわらず、これに対する回答は共通である(知りたい人は前の「回答」をクリックせよ)。
(解答例は提出締切以後に問題のページから参照できます)
○演習課題は、毎週水曜日午後7時までに、なるべくA4判で作成して提出すること。先頭ページ上端に講義日付、学籍番号、氏名を忘れずに書くこと。表紙はつけない。
作成法:(1) MS Wordで作成する(構造式はBIOVIA Drawなどで作成して貼り付けるなど)か、
(2) 手描きで作成してスキャンするか写真に見やすく撮って、Wordファイルに貼り付けるかpdfにする。
提出先:ポータルサイト(予習レポートの提出先と間違えないように)。
○演習課題は成績評価の一部です。
○締切後に公開される解答例で、自分の解答が正しかったかどうか確認し、不十分な点を補っておくと共に、ファイルに綴じて復習に活用すること。レポートはTAがチェックし、必要があればポータルサイトからコメントを返します。
○疑問点、不明の点は、チュートリアルを活用すること。単にレポートを提出するだけよりも,提出後のこれらの取り組みのほうがはるかに重要です。
「今週の一言」ストック
- 「わからなくてもおどろくな。誰でも他人が書いたまじめな話など、読みにくくてわかりにくいものなのだ。」(野崎昭弘「数学的センス」日本評論社)そんな時どうすればいいか?
- 「基礎」は「入門」とは異なる。「入門」は一般に易しいものだが、学問では「基礎」を追求するほど難しくなる場合が少なくない。
- 「学問とは、学生の主体的な努力で身につけるものをいう。先生が教卓でしゃべるものではない。」
先生が確実に伝えられることは、学生が何を学ぶべきか、そしてどう学ぶのがいいかでしかない。
- 「あなたがまだ解らないことを解っている人がいる。あなたの解っていることをまだ解らない人がいる。だから、人は互いに話し合う。」
- 間違うことを恐れ、正解を教わってばかりいては理解が進まない。(説明)
- 「学生」は「学ぶ生命」と書く。学ぼうとしない人、考えようとしない人は学生ではない。「入学試験に合格したか」や、「学生証を持っているか」は、単に学生に「なれる」ことを保証しているにすぎない。
- レポートで「わかりません」は禁句です(NG)。(説明)
- 「本当の実力とは、どこに行っても通用する実力である。」
実習、演習、卒業研究に取り組み、あるいは社会に出れば、問題の答えを覚えるだけの、あるいは単位を取るためだけの努力で身につけた力がいかに空しいものかを、思い知らされるだろう。
- 「身につけたいと思ったら自分で努力(調べ、考える)せよ。」
教わっただけの答えは忘れるのも早い。知りたいと思って、自分から一生懸命時間をかけて調べ、考え、議論して、そして引き出した答えは一生忘れない。答えを教わるよりも時間がかかるが、その時間は決して無駄にはならない。
- 「法則がなぜ成り立つのか?」という質問には誰もが回答に窮する。
質量やエネルギーの保存則が概ね成り立つことを疑う人はいないだろうが、これに対して同じ問いかけをしても答えられないはずである。法則は、自然現象をうまく説明できる経験的なルールを明文化したものである。「そう考えると自然現象がうまく理解できる」としか答えようがなく、もちろん証明はできない。法則が「なぜ成り立つのか理解できない」のは、それを必要とする自然現象になじみがなく、そのために法則の存在意義が理解できないためである。「なぜ?」と悩むより、「?」を片隅に置きながらとりあえずその法則を受け入れ、それがあるおかげで自然現象がいかによく理解できるようになるかを学べばいい。
「質量欠損」という質量保存則の小さなほころびとそれに関わる現象について悩んだ物理学者は数多くいたが、その中で一人の天才がE
= mc2という新しい法則にたどりついた。法則とは幸運または天才により現れ、それまで多数を悩ませていた矛盾を解きほぐし、受け入れられてきたものである。
- 授業は定期試験のための予備校ではない。
問題演習の答え合わせは大学の授業では行わない(「演習」科目では例外もある)。小学校から大学入試までの勉強の経験を通して身につけた(はずの)ものの一つが、問題演習への取り組み方、特に「自分で答え合わせをする方法」であるはずだ。本当の勉強は「誤答」から始まる。
- 学問は蓄積である。
叡智は経験により磨かれる。卒業とともに、試験終了とともに、学んだ経験を置いて来たのでは、真の学問は身につかない。
- 「本当に大切のものは目に見えないんだね」(サン・テクジュペリ「星の王子様」)
本当に大切なものは、目で見ることも、言葉や図式で表すことも、行動で示すこともできない。まして、他人に教えることなどできない。見たり、聞いたり、感じたものの中にある「見えないもの」を主体的に追求して、はじめて自分のものにすることができる。