1998高校化学グランプリ

受賞者の声


高校化学グランプリに参加して
                       学芸大附属高校  佐藤 誠一

 僕は、理科については勉強しているというよりは、パズルやクイズを解いている感じでした。それに加え、普段僕が解いているものとは多少毛色の違った問題であったせいもあり、一次選考の問題はいつもより楽しんで取り掛かることができました。また、二次選考に通ったという知らせを受けて最初に思ったことは、「どんな事をさせてもらえるのだろう?」といった感じで、最初から最後まで緊張や不安とは全く無縁でした。そんな調子だったので、日本化学会長賞の報を受けたときは、「楽しませてもらった上にこんな賞まで頂いて、良いものだろうか」と一瞬思ったりもしました。
 問題自体は、考えることを要求する問題が所々にありましたが、一次、二次選考共に予想よりかなり簡単でした。もう少し難しくてもいいように思います。
 僕は、物理をやってみたいと専ら考えていますが、化学や生物学(特に分子生物学)にも興味があって、具体的に何をしたいのかという明確な像は今のところありません。ただ、科学に関わりのあることをしていきたいと思っています。

b1、2年生へb
 化学に限らず、とにかく楽しんで下さい。「面白いからやってるんだ。」と言えるひとは、良い結果を得られると思います。


感想
 この度は、金賞・日本化学会化学教育協議会議長賞を受賞させていただき、誠に光栄です。総合で二位という成績を収めることができましたが、これは私の成績が良かったというよりも、今回は参加者数が少なかったことも大きく影響していると思います。
 それではグランプリに参加した感想について述べていきたいと思う。一次試験は、私は学年差がつかないような、普段学校や塾で扱うのとは全然違う問題が出題されると予想していたが、実際は大学入試の問題にかなり似たものだった。私には日頃解き慣れているのと同じような問題だったので易しめに感じた(個人的にはもう少し難しくてもよかった)が、高1の人にはちょっとつらかったと思う。案内にあった「高校のレベルを超えた」という言葉に怖じ気づいてアミノ酸の構造式を前日に頭にたたき込んだりもしたが、これは全くの徒労に終わった。それから私は計算問題が苦手なのだが、電卓のおかげで結晶の問題も最後まで解けた。一次試験はだいたいの問題が解けたし、解いていて楽しめ、よかった。
 それに比べると、二次の実験では反省すべき点が多数ある。まず、実験方法の吟味をあまりせずに実験に取りかかってしまった。当初の予想通り、試料が水に溶けたので救われたが。それから時間配分に失敗して、レポートを書く時間がなくなってしまい、さらに急いだためにレポートの内容がかなりひどいものになってしまった。私の学校では毎週2時間連続で化学実験の授業があり、環境的には恵まれていた方だったのだが、そのときうまくいかずいつも最後まで居残っていたのを、そのまま変えられなかった。
 この二次の失敗が響いて総合で二位に終わってしまい、その点は残念だったが、グランプリ全体としては、参加して結構楽しめたので満足できた。
 最後に、私に化学を教えてくださった諸先生方、グランプリに協力してくださったたくさんの方々、そして実験でパートナーを組んでくれた永瀬鮎佳さんにお礼します。本当にありがとうございました。
                             宮崎 隆明


日本化学会化学教育協議会・高校化学グランプリ検討小委員会(主査:松永 是)

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