イオン性反応は、電子の分布に偏りのある場所で起こる。このことを念頭に置いて反応物の構造を見て、どこで、どんな反応が起こりやすいかについて見当をつけることが必要である。ここでは反応の起こりやすい場所について指針を示す。
(a) 電子の不足している部分や正電荷には求核種が接近し、電子の余っている部分には求電子種が接近する。
(b) 酸性を示すH(OH、SH。時にはNH、CHも)には、塩基が接近する。
非共有電子対には、求電子種あるいは酸(H+)が接近する。
π電子には、求電子種が接近する。